2021/12/4

CaptainTsubasa

マガジン感想Vol.8-10

総感

3号分一気読みしました。ミカエルの回想を中心に話が進んでいますね。まだ試合が始まっていなかったことに驚いた!笑
ミカエルの過去については、翼や作中の登場人物が手記を読んでいる中、読者側は少しずつ小出しに情報を与えられるという構成。キャプテン翼にしては、新鮮な魅せ方に思えました。ガンビーノ記者と一緒に追憶しているかのような話の進め方なんですよね。
いつもの「過去回想終わったら、ばりばり試合やっていくぜー!」って感じじゃなくて、じっくりと長い物語を読んでいるかのような感覚なのです。内容が内容だけに、胸にグッとくるものがありました。

ミカエルの過去1

まず、サウールとミカエルが本の出版について相談している場面。2人の間にはとても清らかな空気が流れていますね。純粋で、凛としたものです。「後ろ指刺されるような恥ずかしい生き方はしていない」というセリフがサウールというキャラを引き立たせています。
サウールの回想では「視力を失って自殺も考えた」という内容もありましたが、本質的に明るくて活発な人物だと思います。本当に良い人!!

ミカエルの幼少期からの回想(孤児&勉強も歌もなんでもできた)は大体予想通りでした。まぁそうだろうなと。それ以上に、めちゃくちゃ素直で純真無垢な子だ・・・と再認識できました。
本来自分はこういう純真無垢なキャラクターは好きにならないタイプなのですが、ああ見えて心に大きな傷を抱えているというところが、彼をまた魅力的に見せているのかもしれません。

ミカエルの過去2

ミカエルがサウールの視力を奪ってしまった出来事は、ドイツ対日本のときに触れられていたので、改めての描写。そして、若林とシュナの事故を思い出させる描き方です。
「この世界で最後に見たものはサッカーボールとミカエルのスパイク」という表現がやけに情緒的で心に響きます。

サウールを傷つけてしまったことで、閉じこもってしまったミカエル。
周りの人に見守られ、笑顔を取り戻してきたミカエル。
でもその笑顔の裏にはどうしようもない孤独感が見えるのです。

ひとり、山でボールを蹴り続け、してしまったことへの葛藤を抱きながら教会に佇む姿が幾度となく描かれています。
自分自身に枷を付けてしまっているかのようなその光景は、とても寂しく映ります。

そしてそんなミカエルを励まし続ける友、ラファエル。
ミカエルとラファエルの関係がもう聖域のように尊い。そして続けて回想されるラファエルが、また魅力的なキャラクターでした。

ラファエルの行動力が凄すぎる

まずこの子は、ものすんごい行動力がある!!
プロの道を突き進んでいったり、サウールを見つけたりと、もう大活躍です。
サウールらしき写真見つける→小学校に突撃→街のサッカークラブに突撃→発見!→ミカエルに電話の流れが半端なさすぎる。笑
そしてプロになってからの背番号が35→26→23と、どんどん上がっていっている。深い意味はないかもしれませんが、下部から這い上がっている出世の演出とも取れますね。

「もうサッカーはやらない」と言うミカエルを、ラファエルが懸命に引っ張り続けるこの図式。ラファエルだけが、すべきことの答えを知っているかのような、そんな真っ直ぐさがあります。

ミカエルの傍に彼が居てくれてほんとうに良かった。ラファエルもサウールもミカエルの1点の曇りもない、澄み切った空のような人物で、心が浄化されます。
この3人に限らず、「人物全員が純粋で清らかである」というのは本当にこの漫画の好きなところです。

スペイン3人に見る「人生」

サウールとの電話によって、彼が恨んでいないこと、またサッカーをやってほしいことを伝えられたミカエル。 自分に科していた全てを赦されたミカエルが電話口で嗚咽し、泣き叫ぶシーンで不甲斐なくわたしも大号泣です。こんなの泣かない方が無理。。。

ラファエルの行動力によって再び繋がれたミカエルとサウールですが、人生は人と人の縁で結ばれているのだと今回の物語では強く感じられました。
地道に努力したラファエル、視力を失っても立ち直るサウール、生い立ちも複雑な上、長年苦悩や葛藤を抱えてきたミカエル、と3人共に様々な見え方があります。
辛いことや大変なことがある中で「生きるとはどういうことなのか」という、壮大なテーマが見えてくるような物語でした。

赤井と井川かわいすぎ事件

日本合宿所に合流した赤井がかわいすぎる。
若林に敬語使ってるところもそうだし、試合に出たくて「う~~~っ」って言ってるところ可愛すぎないかい。笑
葵くんみたいな作画でさらに笑えました。そして「疲れて休みたいやつはいねえか!?」のコマも可愛すぎる。可愛すぎる。。。可愛すぎる。。。
パパモードな井川も可愛かった!
(かわいいって言うだけのコーナー)

フランスVSブラジル

ゼダンのルーレット!だいぶ前に岬くんもやってましたね。フランスならではのテクといったところか。 ピエールがこれだけ動いてるのを見るのが久々な気がしました。

リバウールのドリブルをとめるピエールとゼダン、そしてリバからパスを受けて即時フルメタルの体制に入るサンターナ、ナトゥレーザ。
こういう流動的で勢いのある作画めちゃくちゃかっこいい!見せ方が至高です。
決勝が日本vsブラジルの構図になるということで、結果は分かってはいましたがブラジル圧勝でしたね。

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