2023/4/9

CaptainTsubasa

マガジン感想Vol.16

スペイン戦、後半スタート

今回物語的には大きな動きはありませんでしたが、ジュニアユース編のアニメ化が決定するなどキャプ翼界隈は大きな動きを見せていますね。ますます盛り上がりそうです!

「最終章」が告知されてからも通常通りスタートする後半戦に少し安心しました。引き続き翼VSミカエルの構図ですね。

ブラジル流マリーシア・翼とミカエル

空中でボールを奪い合う翼とミカエル。ファウルギリギリのラインで手を伸ばすことでミカエルが近づくことを阻止する翼、そしてこれが「ブラジル流マリーシア」だといいます。 昨年のW杯でも見られた南米の選手のプレイスタイルの1つですね。

物語は回想に入り、ブラジル-サンパウロに渡ったばかりの翼(15歳)とロベルトの話に遡ります。
1on1の特訓を提案するロベルトと彼の眼の病気を心配する翼。翼の心配をよそにロベルトは「全力でかかってこい」と言い放ちます。

この1on1の特訓シーンでロベルトから次のようなことが語られます。

「審判の死角なら、審判のフエが吹かれなければファウルにならない」
「自分で勝手にプレイの判断をするな」
「やられたらやり返せ」
「フィールドで死ぬか生き残れるかがサッカー」
「絶対に怯むな、弱みを見せるな」
「相手の想像できないプレイをしかけろ」
「同じパターンを繰り返すな、心理の逆を突け」


たびたび作中でもこういった話は出ていますし、ライジングサン・アルゼンチン戦のディアス(神の手オマージュ)などはまさにこれを体現した南米のサッカーでした。
しかし改めて語られるこれらのセリフがなぜか今回は心に刺さりました。
「たたかえドリームチームでランクマしてる時の私に効く言葉やん・・・」みたいなところもあったのかもしれません。近頃リアルサッカーをたくさん観ているからかもしれません。とにかく胸を打たれました。

そしてこのロベルトとの特訓を胸に翼は今もピッチに立っているのです。
「想像を超えるプレイ」ということで翼はミカエルの股を抜くシュートを試みますが、ミカエルはボールに足を引っかけることで阻止します。

翼ミカエルともに同レベルの天才として描かれていますが、翼は「ずっと仲間や師に支えられサッカーをやってきたこと」、ミカエルは「ずっと一人でサッカーをやってきたこと」が最終的に勝負を分けると私は読んでいます。
ミカエルも壮絶な物語と努力があったわけですが、やはり彼の強さの多くは「非凡で孤独な才能」により構築されている気がするのです。

マリーシアに見る師弟の絆

今回最も良かった場面としてロベルトのマリーシア指導のシーンを挙げたいのです。
先ほども述べたとおり「どうしてこんなに胸を打たれるのか?」という点について分析したい。

まずは「愛情」。
ロベルトは厳しい言葉を投げかけているように思えますが、翼がこの先プロのサッカー選手として生きていくことを見据えて自分にできること全てを伝えている、と受け止められます。
まだ中学を出たばかりでこのマリーシアに戸惑う表情を見せる翼と、とんでもなく真剣に指導するロベルト。ロベルトの必死な顔からはやはり深い愛情を感じます。
翼とロベルトの関係性として「ずっと一緒に居られる訳じゃない」というところが1つ深みを出していると思えます。だからこそロベルトはその時その時の全力を、翼に注いでいるのではないでしょうか。

この特訓が今の翼を作り上げ、彼の大事な一部になっている。
自分自身あんまり翼とロベルトの師弟関係について深く考えたことがなかったのですが、このキャプテン翼という物語の根幹であることに今回は気づかされました。

また、別視点から。最近「ブルー●ック」を読む機会がありました。今話題のサッカー漫画です。こちらでも「エゴイズムを持て」「日本のサッカーは甘い」(というかほぼ全否定)という、今回と似たような内容の描写があります。イカれたサッカー漫画という謳い文句の通り、過激な発言や個性の強いキャラクターがたくさん出てきます。
これらのノリが自分には合わず、到底続きを読もうとは思えなかったのですが「なんか違うんだよなぁ」というのが正直な感想でした。表面上は面白そうに見えても、心が打ち震えなかったのです。

なので、今号でキャプテン翼としての「日本のサッカーをしてきた翼の甘さが指摘され語られている」ことに余計感動したのかもしれません。
決して他者を、他のサッカーを否定するわけではなく、キャラクターが抱いているふつふつと滾る情熱。それが読者に伝わる。そして登場人物皆が温かい心を持っているのがキャプテン翼の魅力ではないか、と気づかされました。読んでいると心の奥底に愛情や温かいものが感じられるのです。それが私自身がこの作品を愛してやまない理由です。

そもそもの漫画としての性質が違うと思うのでブルー●ックの話はここまでにしておきますが・・・やっぱり私はキャプテン翼が最高のサッカー漫画だと信じて止みません。 これが言いたかった。

本編続き-今号のラストシーン

話を戻しまして、スペインVS日本の話です。 ティキタカやディフェンスラインを上げるなど様々な戦術が飛び交う中でひとつ、ベンチにいる三杉淳が出場するフラグが立っています。 試合終盤でスーパーサブとして登場するであろう様子が浮かびます。

またディフェンスラインを上げたことでスペインにシュートチャンスを作られた日本ですが、ライン上げの指示を行った若島津が飛び出してシュートを防ぎます。
「これで決められたら赤っ恥」というセリフからも若島津の高いプライドが伺えてとても良いシーンでした。そして真波蹴りとかいう超カッコイイ新技!新技を見ると「たたかえで実装してほしいな」と思う癖が相変わらず抜けません。
そして若島津を褒めるタケシ、反町、浦辺とそれに反発する若林のちょっとした遊びのコマもかわいい・・・笑 東邦生による「若島津アゲ」が定期的に挟まれるのが面白いです。

そして今号ラストシーンでは、翼と岬によってハイスピードトルネードスカイアルファ(HTS)が放たれようとしますが、ラファエルとミカエルが「スカイラブハリケーン」体制でそれを防ごうとします。

いきなりツッコミどころデカすぎる展開にするな

急に!!急にこうなるんです!キャプテン翼って!
めちゃくちゃやないか!と思いましたし、そもそも立花兄弟が「大人になってからやるのはキツい」って言ってたじゃないですか。ラファエルが大丈夫なのか、もはやそこが心配です。「超絶エアバトル!!」じゃないですよ、ほんとに。笑笑

まとめ

●やっぱりキャプ翼はキャプ翼だった、という謎の安心感があった
●明和FC伝説も最高だった。若島津に対する解像度が上がったし、期待通りのキャラで良かった。(まっすぐ過ぎて折れない男)

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